QC検定3級/手法分野
QC七つ道具の使い分け
7つの道具は、それぞれ答えられる問いが違います。「どれを使うか」ではなく「何を知りたいか」から選ぶと迷いません。3級の手法分野で最も配点が大きい範囲です。
道具は「知りたいこと」から選ぶ
QC七つ道具を名前だけで覚えると、問題文で「この場面ではどれを使うか」と問われたときに手が止まります。それぞれが答えられる問いをセットで覚えてください。
| パレート図 | 「どれから手をつけるべきか」— 影響の大きい項目を見つける。 |
|---|---|
| 特性要因図 | 「原因として何が考えられるか」— 要因を洗い出して整理する。 |
| チェックシート | 「どう記録すれば集計しやすいか」— データを取る段階の道具。 |
| ヒストグラム | 「ばらつきはどんな形か」— 分布の形と規格との関係を見る。 |
| 散布図 | 「2つの間に関係があるか」— 対になったデータの関連を見る。 |
| グラフ | 「変化や大小をどう見せるか」— 折れ線・棒・円などで視覚化する。 |
| 層別 | 「違いはどこから来ているか」— 機械別・時間別などに分けて比べる。 |
層別は道具というより考え方
層別だけは他の6つと性質が違います。単独で図を描くのではなく、他の道具と組み合わせて使うものだからです。
例えばヒストグラムが2つの山に分かれていたとき、機械Aと機械Bで層別して描き直すと、山が1つずつに分かれて原因が見えます。散布図でも、層別すると隠れていた相関が現れることがあります。
「データを分けて見る」という発想そのものが層別です。
パレート図:重点指向を数字にする
項目を件数の多い順に並べた棒グラフと、累積比率の折れ線を組み合わせた図です。「上位のいくつかで全体の大部分を占める」ことを目で見て確かめられます。
改善は全部に手をつけるのではなく、影響の大きいものから取りかかる(重点指向)のが原則です。パレート図はその判断材料になります。
例題:累積比率を計算する
ある工程の不適合を分類したところ、キズ45件、寸法外れ30件、汚れ15件、欠け7件、その他3件でした。
- ① 合計を出す 45 + 30 + 15 + 7 + 3 = 100 (件)
- ② 多い順に並べる キズ → 寸法外れ → 汚れ → 欠け → その他 「その他」は件数が多くても必ず最後に置きます。
- ③ 各項目の比率を出す キズ 45%、寸法外れ 30%、汚れ 15%、欠け 7%、その他 3%
- ④ 累積していく 45% → 75% → 90% → 97% → 100%
答え:上位2項目(キズと寸法外れ)だけで全体の75%を占める
よくある間違い:「その他」は件数の大小にかかわらず一番右に置きます。多い順に並べる原則から外れる、唯一の例外です。
ヒストグラムは形を読む
データをいくつかの区間に分け、区間ごとの度数を柱で表した図です。3級では計算より形から何を読み取るかが問われます。
| 一般型(左右対称) | 安定した工程。とくに問題なし。 |
|---|---|
| 二山型 | 性質の違うデータが混ざっている疑い。層別して分けて見る。 |
| 離れ小島型 | 一部に異質なデータが混入している疑い。 |
| 歯抜け型 | 測定やまとめ方(区間の取り方)に問題がある疑い。 |
| 絶壁型 | 選別して規格外れを取り除いた後のデータの疑い。 |
特性要因図の作り方
右端に特性(結果)を書き、そこへ向かう大きな骨に要因の大分類を、そこから小骨に細かい要因を書き込みます。形が魚の骨に似ているのでフィッシュボーン図とも呼ばれます。
大分類には4M(Man 人・Machine 設備・Material 材料・Method 方法)がよく使われます。測定を加えて5M、環境を加えて5M1Eとすることもあります。
注意したいのは、特性要因図は要因の候補を洗い出す道具であって、原因を特定する道具ではない点です。書き出した要因のどれが本当に効いているかは、データで確かめる必要があります。
よくある質問
QC七つ道具と新QC七つ道具はどう違いますか?
QC七つ道具は主に数値データを、新QC七つ道具は主に言語データを扱います。ただし新QC七つ道具のうちマトリックス・データ解析法だけは数値データを扱うので、ここが例外としてよく問われます。
パレート図で「その他」はどこに置きますか?
件数の大小にかかわらず、一番右(最後)に置きます。多い順に並べるという原則の唯一の例外です。
特性要因図で原因が特定できますか?
できません。特性要因図は要因の候補を漏れなく洗い出して整理するための道具です。どの要因が実際に効いているかは、層別や散布図などでデータを取って確かめます。
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
関連する解説
解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 過去問題(日本規格協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。