QC検定3級/実践分野
品質経営の要素(方針管理・日常管理・標準化)
方針管理は上から下へ展開する縦の活動、日常管理は各部門が担当業務を維持する横の活動です。この対比で押さえると混ざりません。
方針管理と日常管理
組織を動かす仕組みには、方向の違う2つの活動があります。
方針管理は、経営方針を達成するために、方針を上位から下位へ展開していく活動です。今年これを達成する、という変化を起こすための縦の流れです。
日常管理は、各部門が担当する業務を計画どおりに進めるための維持活動です。決められたことを決められたとおりに、を保ち続ける横の流れです。
方針管理がPDCA(改善)、日常管理がSDCA(維持)に対応すると考えると整理しやすくなります。
方針の展開でよくある失敗
上位の方針をそのまま下に降ろすだけでは、現場は何をすればよいか分かりません。各階層で自部門の言葉と数値に翻訳する必要があります。
また、方針は下ろすだけでなく、下位の実情を上位に返して調整します(すり合わせ)。一方通行にしないことが方針管理の要点です。
標準化は何のためにあるか
仕事のやり方や規格を統一して決めることを標準化といいます。目的は主に3つです。
| ばらつきを減らす | 人によってやり方が違えば結果もばらつく。統一すれば揃う。 |
|---|---|
| 改善を定着させる | 良い方法を標準に落とし込めば、担当者が変わっても維持できる。 |
| 互換性を確保する | 規格を合わせることで、部品や製品を組み合わせられる。 |
標準の種類
適用される範囲によって呼び名が分かれます。社内で定めるのが社内標準、国レベルが日本産業規格(JIS)などの国家規格、国際レベルがISO・IECなどの国際規格です。
標準は一度決めたら終わりではありません。実情に合わなくなれば改訂します。守られていない標準があるとき、現場が悪いのではなく標準のほうが実態に合っていない場合もあります。
小集団活動(QCサークル)
同じ職場の人が少人数で集まり、品質管理の手法を使って自主的に改善を進める活動をQCサークルといいます。
特徴は自主性です。上から命じられて行うのではなく、自分たちで課題を選んで取り組みます。目的は改善そのものだけでなく、参加する人の能力向上や職場の活性化も含まれます。
品質マネジメントシステムとISO 9001
品質に関して組織を管理する仕組み全体を、品質マネジメントシステム(QMS)といいます。その国際規格がISO 9001です。
押さえておきたいのは、ISO 9001は製品の品質そのものを保証する規格ではないという点です。品質を確保するための仕組みが備わっているかを見る規格であって、認証を取れば良い製品ができるわけではありません。
よくある質問
方針管理と日常管理はどちらが重要ですか?
役割が違うため比較できません。日常管理で現状を安定させたうえで、方針管理で新しい水準へ引き上げる、という関係です。日常管理ができていない組織が方針管理だけを回しても、成果は定着しません。
ISO 9001の認証を取れば品質が良くなりますか?
そうとは限りません。ISO 9001は品質を確保するための仕組みが備わっているかを審査する規格で、製品の品質水準そのものを保証するものではありません。仕組みをどう運用するかは組織次第です。
QCサークル活動は業務命令で行うものですか?
自主的な活動として位置づけられています。ただし会社が場所や時間を用意するなど、活動しやすい環境を整えることは支援として行われます。
読んだあとにやること
読んで分かった気になっても、手を動かすと止まります。この分野の練習問題で確かめてください。
関連する解説
解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 過去問題(日本規格協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。